温泉寺概要: 温泉寺の創建は天平10年(738)、城崎温泉を開湯した道智上人が開山したのが始まりと伝えられています。伝承によるとある仏師が観音像を彫り込んでいたところ誤って海に流してしまいます。後年、病気になり城崎温泉へ湯治で訪れると、偶然その観音像が円山川河口近くに打ち上がりました。仏師は道智上人と相談し観音像を完成させると温泉寺を開き本尊にしたそうです。天平10年(738)に聖武天皇の勅願寺になると寺運が隆盛し境内には様々な堂宇が建立されましたが、度重なる兵火により次第に衰微します。至徳2年(1385)、清禅法印が再興し境内の整備が行われました。現在の本堂はその当時のもので、入母屋、銅板、桁行5間、梁間5間、折衷様式(和様、唐様、天竺様)、但馬地域最古の建物で、室間時代初期に建てられた寺院本堂建築の遺構として大変貴重なことから国指定重要文化財に指定されています。寺宝も多く、本尊の十一面観音像(大和長谷寺の観音像と同木同作)をはじめ千手観音立像(伝 弘法大師空海作)や四天王立像、木造金剛力士像などを所有し文化財指定されています。西国薬師49霊場第29番札所。西国33観音霊場 番外札所。但馬西国33箇所 第33番札所。
温泉寺の文化財
・ 温泉寺本堂−至徳年間−国指定重要文化財
・ 絹本著色十六善神像−平安時代末期−国指定重要文化財
・ 木造十一面観音立像−平安時代中期−国指定重要文化財
・ 木造千手観音立像−平安時代後期−国指定重要文化財
・ 石造宝篋印塔−鎌倉時代末期−国指定重要文化財
・ 四天王立像(4躯)−平安時代後期−兵庫県指定文化財
・ 木造金剛力士像(2躯:伝運慶・湛慶作)−鎌倉時代−兵庫県指定文化財
・ 温泉寺仁王門−明和年間−豊岡市指定文化財
・ 那智郡山図−豊岡市指定文化財
・ 渭川煙雨図−豊岡市指定文化財
・ 温泉寺縁起図−豊岡市指定文化財
・ 山水図−豊岡市指定文化財
・ 温泉寺多宝塔−明和4年−豊岡市指定文化財
・ 宝篋印塔(東塔)−豊岡市指定文化財
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