薬仙寺概要: 薬仙寺の創建は天平18年(746)、行基菩薩によって開かれたのが始まりと伝えられています。平安時代には千憎寺塔頭の1つとして千僧供養が行われていたとされ、政争で敗れた第65代花山天皇も当寺に滞留した際「 有馬富士ふもとの霧は海に似て 波かと聞けば小野の松風 」の歌を残したと伝えられています。当初は天台宗の寺院でしたが承元元年(1207)法然上人が当寺を訪れた際、浄土宗に改宗しさらに延文年中(1356〜60)に霊山国阿が再興した際、時宗に改宗しています。又、南北朝時代、隠岐に流された後醍醐天皇が脱出し京の都に戻る途中重病に伏し、福厳寺(兵庫県神戸市)で滞留したいた際、当寺の境内から湧き出る霊水を薬と共に服用したところ、見事平癒した事から「薬仙寺」の寺号を賜った云われています。文久元年(1861)には神戸港の開口に先立ちオールコック(英国初代行使)が宿所として利用しています。昭和29年、新川運河拡張工事の際、平清盛が後白河法皇を幽閉した旧蹟が水没した為、境内に「萱の御所蹟碑」が移設されています。
薬仙寺の文化財
・ 木造薬師如来坐像−平安時代−国指定重要文化財
・ 絹本著色施餓鬼図−朝鮮王朝時代−国指定重要文化財
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