徳光院概要: 「布引の滝」は三大神滝の一つに数えられなど古代から神聖視され文武天皇元年(697)には役の小角が布引山滝勝寺を創建、周辺が一大修験道場の拠点となりました。往時は境内に七堂伽藍の堂宇や、70余の僧房、支院が建ち並び大きな影響力を持ちましたが天正7年(1575)、滝山城が落城するとその兵火に巻き込まれ全山焼失し衰退しました(現在は他所に移転)。明治39年(1906)、川崎正蔵(神戸川崎財閥の創始者)がその跡地に私財を投じて徳光院を創建し、高木龍渕禅師を招いて開山しています。境内にある多宝塔(高さ約12m、本瓦葺、桁行2間、梁間2間)は文明10年(1478)、明王院(神戸市垂水区)に建立、明治33年(1900)に川崎家自邸に移築され、昭和13年に現在に再度移築されました。徳光院多宝塔は室町時代の寺院層塔建築の遺構として大変貴重な事から国指定重要文化財に指定されています(多宝塔としては兵庫県最古、神戸市唯一)。
徳光院の文化財
・ 多宝塔−文明10年−国指定重要文化財
・ 木造持国天立像−平安時代−兵庫県指定文化財
・ 木造増長天立像−平安時代−兵庫県指定文化財
|